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No.95 平成18年12月1日号 富士山への道−文化11年「富士山道中日記帳」その2

更新日: 2007年12月3日

新ならしの散策 No.95

富士山と八湖をめぐる-文化11年「富士山道中日記帳」その2

 現在、富士山を登る場合、ほとんどの人がスバルライン(自動車道)で五合目まであがり、そこから頂上を目指します。もちろん、江戸時代には一合目からひたすら歩くことになります。
 北口浅間神社裏の登山門から、草山・木山と呼ばれた森林の中の道を11キロメートル、約5時間歩くと、五合目の天地境つまり森林限界を越え、焼山と呼ばれた赤茶けた砂礫が続く登山道に入ります。ここから十合目の頂上までは5.8キロメートル、約6時間かかります。


 頂上火口の回りを歩くことを「オハチめぐ巡り」と呼び、「剣ヶ峰」や「親不知子不知(おやしらず こしらず)」という難所を通り「釈迦の割石」などの奇石を見て歩くことができます。下りは「砂走り」と一気にかけ下り、身体に付いた砂礫を払い落とすことから名付けられた「砂はたき」までくれば、もうすぐ五合目です。ここから麓まで、また森林の中の道を歩いていくことになります。

写真 久々田村が奉納した石灯籠
久々田村(現在の津田沼)が奉納した石灯籠(山梨県富士吉田市)

 麓で1泊してから、八湖(海)巡りに出かけます。八湖とは「富士五湖」(山中湖・河口湖・西湖・精進湖・本栖湖)に「明見湖」「四尾連湖」「泉津(湖)」の3湖を加えたもので、富士登山の後は八湖を巡るのが富士講(注釈)の大切な修行とされました。『道中日記』の一行も、6月22日往路に明見湖に立ち寄り、登山後25日から河口湖〜西湖〜本栖湖と巡ります。それぞれ湖水に入り、定められた「御勤」(水行)を行っています。 


 『道中日記』は後半が虫損のため欠けており、本栖湖以後の八湖巡りや、富士山からの帰路の様子は分かりませんが、富士宮(静岡県)から東海道に出て、大山阿夫利神社(神奈川県)を巡って帰ったと推測されます。
 史料中には、「涼しさは 岩のはざまの 辺りかな」という俳句が記されており、もし史料の後半が残っていれば、俳句好きの『道中日記』の作者が旅の終わりにひねった一句が記されていたかも知れません。


(注釈)富士講・・・富士山を目指す信仰集団 

参考文献

「富士を登る」「富士八海をめぐる」
富士吉田市歴史民俗博物館

問い合わせ先

このページは広報課が担当しています。
電話:047-451-1151(代表)(内線:203 、252)

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